Technical Report

トンランスクリプトーム解析:組織横断的なトランスクリプトーム規模の関連解析を行うための統計的手法

Nature Genetics 51, 3 doi: 10.1038/s41588-019-0345-7

トランスクリプトーム規模の関連解析は、複雑形質の遺伝的な構造を研究するための強力な手法である。与えられた組織で遺伝子型や遺伝子発現データが合致するサンプルを用いることにより、遺伝子型から遺伝子発現レベルを補完(インピュテーション)するためのモデルを構築するのが、この方法の肝要な点である。しかしながら、さまざまな単一組織で、限られたサンプルサイズの下、強力かつ正確な補完モデルを開発することは困難が伴う。今回、我々がまず紹介するのは、44のヒト組織における遺伝子発現データを組み合わせて使用し、補完するマルチタスク学習システム手法である。単一の組織の手法と比較して、我々のアプローチは補完の正確性について平均で39%の改善をもたらした。また、平均で120%多くの遺伝子について、効果的な補完モデルを作成できた。我々はさらに、遺伝子–形質間の関連全体を定量化するため、複数の単一組織での関連を組み合わせて強力な測定基準にする要約統計量ベースの検定手法について紹介する。UTMOST (unified test for molecular signatures)という名称のこの手法を、複数のゲノムワイド関連研究の結果に適用し、単一組織の手法よりも優れていることを例示した。

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