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糖尿病:日本人集団の2型糖尿病に関わるゲノム領域を新たに28か所同定

Nature Genetics 51, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0332-4

日本人集団における2型糖尿病の遺伝素因を解明するため、2型糖尿病を対象とした4つのゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果を合わせたメタ解析(2型糖尿病患者3万6614人、対照健常者15万5150人)を行った。メタ解析の結果、2型糖尿病感受性領域を88か所と(P < 5.0 × 10−8)、独立した関連シグナル115か所を同定した(P < 5.0 × 10−6)。このうち、30の関連シグナルを含む28の感受性領域が新規であった。また、28のミスセンスバリアントが、関連シグナルと連鎖不平衡の状態にあった(r2 > 0.6)。これら28のミスセンスバリアントのうち、これまでに2型糖尿病との関連が報告されていない3つのバリアントは、日本人集団と欧米人集団で明確に異なるマイナー対立遺伝子頻度(MAF)を有していた(MAFJPN > 0.05に対して、MAFEUR < 0.01)。これには、膵臓の腺房細胞に関係する遺伝子(GP2)やインスリン分泌に関連する遺伝子(GLP1R)におけるミスセンスバリアントが含まれる。日本人集団と欧米人集団における2型糖尿病GWASを対象に分子生物学的経路解析を実施し、2つの民族集団間で共通して疾患に関連している分子経路と、特定の人種においてのみ疾患に関連している分子経路を同定した(例:単一遺伝子異常性糖尿病とβ細胞)。

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