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ジャガイモ:ジャガイモにおける近交弱勢の遺伝学的背景

Nature Genetics 51, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0319-1

近交弱勢は遺伝的近縁種間の交配によって子孫の適応度が低下する現象である。ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)はクローン栽培される作物であり、深刻な近交弱勢を示す。しかし、ジャガイモにおける近交弱勢の遺伝学的背景はほとんど分かっていない。ジャガイモにおける近交弱勢についての理解を深めるため、二倍体ジャガイモ151系統のmutation burden(遺伝子変異量)を計測し、有害と予測される34万4831の置換を検出した。ジャガイモにおけるそれら有害突然変異はセントロメア周辺領域に多く、系統特異的であった。我々は3つのF2集団を用いて、配偶子および接合子の段階での選択により生じる分離の歪みが非常に顕著であった15のゲノム領域を同定した。生存や成長活性に影響を与える有害な劣性対立遺伝子のほとんどは、組換え率の高いゲノム領域に存在していた。これらの有害な対立遺伝子の1つは、胚発生に影響を与える遺伝子を破壊する、まれな突然変異に由来するものであった。本研究は、近交系ジャガイモのゲノム設計に役立つであろう基礎的な知見を提供するものである。

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