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免疫:GWAS座位のクロマチン活性により複雑な免疫疾患を引き起こすT細胞状態を特定

Nature Genetics 51, 10 doi: 10.1038/s41588-019-0493-9

免疫疾患関連のバリアントは、T細胞やマクロファージに見られる活性クロマチン領域に豊富に存在する。しかし、これらのバリアントが特定の細胞状態で機能するかどうかは分かっていない。本論文では、13のサイトカインの存在下でT細胞とマクロファージを刺激し、活性なクロマチン領域と開いたクロマチン領域のプロファイリングを行った。T細胞の活性化により主要なクロマチンリモデリングが誘導され、一方、サイトカインの存在により、変化の規模が微調整された。我々は、クロマチン全体像のわずかな変化を考慮することのできる統計的方法を開発し、細胞状態によってSNP濃縮がどう変化するかを調べた。我々の結果は、免疫疾患関連バリアントが、存在するサイトカイン間でわずかな差異を伴うが、記憶CD4+ T細胞の活性化の後期ではなく早期に役割を担っていることを示している。さらに、炎症性腸疾患に関連するバリアントは1型ヘルパーT(TH1)細胞に濃縮される一方、アルツハイマー病に関連するバリアントはマクロファージのさまざまな細胞状態で濃縮された。我々の結果は、T細胞およびマクロファージのさまざまな活性化状態に対して、免疫疾患関連バリアントの詳細な解析を示した包括的なパネルとなる。

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