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複雑形質の発現解析:44のヒト組織の遺伝子調節アトラスを利用した、複雑な疾患および形質に関連するバリアントの探索

Nature Genetics 50, 7 doi: 10.1038/s41588-018-0154-4

Genotype-Tissue Expression(GTEx)プロジェクトから同定された44の組織の発現量的形質座位(eQTL)を、ゲノムワイド関連解析のデータと併せて解析する統合アプローチについて報告する。その結果、既知の形質関連座位の約60%がcis-eQTLと連鎖不平衡の関係にあることが分かった。全血を対象とした以前の大規模研究では、その関係のうち半分以上が見逃されていたことになる。代謝、心血管、体格、自己免疫、神経変性に関する形質のポリジェニック解析を行うことにより、その形質と関係した組織のeQTLに形質との関連が有意に豊富に認められ、それらのeQTLによって形質の遺伝率のかなりの割合(40~80%)を説明できることを見いだした。ほとんどの形質については、形質関連eQTLの多くが複数の組織に共通のものであったが、血圧などいくつかの形質に対しては、組織特異的なeQTLが大きく寄与していた。eQTLの標的遺伝子とそれらの生物学的経路に関する情報を統合し、遺伝子に基づくアプローチを適用することにより、これまでに報告されている原因遺伝子および経路を検証した。さらに、いくつかの複雑形質に関連するバリアントや遺伝子の候補を新たに同定した。これら新たな候補については、UK BioBankならびにBioVUでの再現解析を行った。

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