Letter

コレラ:バングラデシュ国内におけるコレラの流行を3つのレベルの時空間分解能で明らかにする

Nature Genetics 50, 7 doi: 10.1038/s41588-018-0150-8

コレラの流行には大きな注目が集まっているにもかかわらず、南アジア、アフリカ、そして現在ではハイチを含む地域でコレラが流行しており、これらの地域に非常に大きい負担をもたらしている。人口1000万人を超える大都市であるバングラディッシュのダッカは、コレラの流行が多発し、コレラの季節的な大発生が年2回起こる状態となっている。このような状況下にもかかわらず、ダッカで流行しているコレラ菌(Vibrio cholerae)株の多様性や毎年の大発生との関係については、詳細な理解が得られていない。本研究では、コレラ菌の全ゲノム塩基配列解読を、いくつかの規模およびタイミングにわたって、可能な限り最大の分解能で行った。コレラ菌分離株を解析することで、個人内の感染から、世帯レベルでの疾患動態、さらに地域や大陸間のコレラ伝播まで、複数のレベルでコレラの動態を明らかにした。我々の解析から、流行状況下でのコレラの多様性や伝播を理解するためのゲノムに基づいた方法の枠組みが示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度