Analysis

量的形質座位:疾患と複雑形質の遺伝的構造を理解するために、分子に関する量的形質座位を利用する

Nature Genetics 50, 7 doi: 10.1038/s41588-018-0148-2

ゲノムワイド関連解析により見つかった多くのリスク座位は分子に関する量的形質座位(分子QTL)である、という証拠が増加している。今回、Genotype-Tissue Expression(GTEx)とBLUEPRINTコンソーシアムのデータを用いて、分子のシスQTLを精細にマッピングし、それに関して、原因の事後確率に基づいた新しい機能アノテーションのセットを得たので紹介する。41の疾患と複雑形質の解析において、これらのアノテーションの遺伝率を調べると、全ての有意な分子QTLを含むアノテーションの場合〔発現QTL(eQTL)に対して1.80 × 〕よりも大きいことが分かった(eQTLに対して5.84 × 、P = 1.19 × 10−31)。全てのGTEx組織をメタ解析することにより得られるeQTLのアノテーションは通常、最も性能が良いが、我々の組織特異的なeQTLアノテーションは、血液や脳に関連した疾患や形質についてよりよく遺伝率を表している。機能喪失に耐えられない遺伝子に限って見ると、eQTLアノテーションはさらによく遺伝率を説明できる(17.06 × 、P = 1.20 × 10− 35)。スプライシングQTL以外の全ての分子QTLを組み合わせて解析すると、その優れた点は維持されており、それぞれのアノテーションが疾患や複雑形質の構造に対して比類ない情報をもたらすことを示している。

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