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乳がん:22万9000人の女性を対象にしたトランスクリプトーム規模の関連解析から、乳がんの感受性遺伝子候補が新たに特定された

Nature Genetics 50, 7 doi: 10.1038/s41588-018-0132-x

ゲノムワイド関連解析により見つかった乳がんのリスクバリアントは、家系内の相対リスクのごく一部しか説明しておらず、明らかになった関連の原因となる遺伝子の大部分はいまだ分かっていない。新たなリスク座位や病因と考えられる遺伝子を特定するため、ヨーロッパ系の乳がん患者12万2977人と対照群10万5974人に対してトランスクリプトーム規模の関連解析を行い、遺伝学的に予測した遺伝子発現と乳がんリスクとの関連を調べた。GTEx(Genotype-Tissue Expression)プロジェクトのデータを用いて、乳腺組織内の遺伝子発現を予測する遺伝学的モデルを構築し、がんゲノムアトラスのデータを利用してこのモデルの性能評価を行った。評価した8597の遺伝子のうち48の遺伝子に有意な関連が、Bonferroni補正後の閾値P < 5.82 × 10−6で見つかった。その中には、乳がんとの関連がこれまで報告されていない座位にある、14の遺伝子が含まれていた。13の遺伝子の発現を抑制したところ、11の遺伝子が細胞増殖とコロニー形成能の両方もしくはいずれかに影響を及ぼすことが分かった。今回の解析は、乳がんの遺伝学および生物学の解明に新たな手掛かりを与えるものである。

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