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ワタ:リクチメンコアコレクションのリシーケンシングによりゲノム多様性および繊維品質や収量に影響する遺伝子座を同定

Nature Genetics 50, 6 doi: 10.1038/s41588-018-0119-7

ワタ(リクチメン)は最も重要な繊維作物である。遺伝資源のゲノム多様性ならびに繊維品質や収量の基盤となる対立遺伝子については、広く研究する必要がある。本論文で我々は、419アクセッション(系統)からなるリクチメンのコアコレクションを6.55倍の読み深度でリシーケンシングし、ゲノム多様性の評価に用いるために約366万個の一塩基多型(SNP)を同定した。我々は、12の栽培環境にわたる表現型解析を行い、13の繊維関連形質についてゲノムワイド関連解析を実施した。7383個の固有SNPが繊維関連形質に有意に関連付けられ、4820の遺伝子の内部または近傍に位置していた。繊維品質に関連する遺伝子座が繊維収量に関連する遺伝子座より多く認められ、繊維関連遺伝子はAサブゲノムに比較してDサブゲノムにより多く認められた。また、到花日数、繊維長、および繊維強度を規定するこれまでに報告のない遺伝子が複数同定された。栽培化と育種の過程でこれらの形質についての表現型が選抜された結果、優良対立遺伝子の頻度が増大したものと考えられる。本論文の結果は、ワタの品種改良における分子選択や遺伝子操作の標的となる情報を提供するものである。

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