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白血病:UTXを介するエンハンサーやクロマチンのリモデリングによって、ETSプログラムとGATAプログラムがUTXの触媒活性に依存しない逆の調節を受けることで、骨髄性白血病の発生が抑制される

Nature Genetics 50, 6 doi: 10.1038/s41588-018-0114-z

ヒストンH3 Lys27特異的なデメチラーゼであるUTX(別名KDM6A)は、多数のがんにおいて機能喪失変異の対象となっている。本論文では、UTXがその触媒活性に依存しない機能を介して骨髄性白血病の発生を抑制すること、また、この特性はY染色体上にあるUTXのパラログで触媒活性を持たないUTY(別名KDM6C)に共有されることを実証する。そしてこれを踏まえて、多数のヒトがんにおいてKDM6AUTX)とUTYが同時に喪失あるいは変異していることを明らかにする。全体的ゲノムプロファイリングから、Utxを欠失させてもH3K27me3にはわずかな変化しか見られないが、H3K27acやクロマチン接近性には有意な増減両方の変化が見られた。また、Utxを欠失により、H3K4me1修飾の大部分の喪失、ETSやGATA因子結合の変化、遺伝子発現の変化が見られた。さらに、プロテオーム解析とゲノム解析を統合することによって、これらの変化が、ATP依存性クロマチンリモデリングのUTXによる調節、COMPASS複合体の協調、およびAMLへの進展におけるETS因子のパイオニア活性の上昇に結び付けられた。我々の知見を総合すると、UTXは急性骨髄性白血病の抑制において、発がん性ETSプログラムの抑制と腫瘍抑制性GATAプログラムの亢進という2つの役割を持つことが明らかになった。

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