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非コード配列:遺伝子の多様性により特徴付けられたヒトゲノムの非コード配列

Nature Genetics 50, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0062-7

非コードゲノム配列の遺伝的多様性の意義を理解することは、ヒトのゲノミクスにおける次なる課題となりつつある。我々は1万1257の全ゲノム配列と1万6384の7量体(7塩基のモチーフ)を用いて、ヒトという生物種のゲノムが持つ「配列の制約」に関するマップを構築した。この構築は、生物種間で保存されている領域をマッピングする従来の方法とは大きく異なり、最も強い制約下にあるゲノム領域に存在する調節配列を見つけてマッピングするものである。今回、新たなHi-C実験データを用いて解析を行った結果、必須遺伝子と、それに関連する強い制約下にある調節配列の間には、2 Mbを超える領域にわたって強い協調パターンが見られることを示した。非コードゲノム配列において制約を受けている領域は、制約を受けていない領域に比べて、既知疾患の原因バリアントが最大で52倍豊富に見られた(ゲノムの平均と比較して21倍)。何千人もの配列から構築した制約下にある配列のマップは、ヒトゲノム中の非コード配列を解釈する助けとなり、バリアントに優先順位をつけたり、大規模に遺伝子群単位を見直したりするための資源となる。

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