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顔形状:ヒトの顔形状に対する大域的-局所的な遺伝学的影響のゲノムワイドマッピング

Nature Genetics 50, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0057-4

ヒトの顔貌のように、多数の要素が関与する複雑な形質に関するゲノムワイド関連解析では、事前に選択した表現型尺度が用いられることが多い。本論文ではデータ駆動型アプローチとして、組織化された複数の階層で顔形状の表現型を抽出する方法を報告する。このアプローチでは、統計的検出力を維持しながら、顔形状の多様性を自由に記述することができる。2329人のヨーロッパ系被験者から38の関連座位が同定され、そのうち15座位は独立のヨーロッパ人被験者集団(n = 1719)における再現解析でも確認された。15座位のうち4つは完全に新規であった。それ以外は、本研究の結果とも整合する効果(n = 9)または多面効果(n = 2)がすでに報告されている座位であったが、ここで報告する結果はさらに詳細なものである。再現解析で確認された15座位は全て、顔形状に対する大域的-局所的な遺伝学的影響の特徴的なパターンを顕著に示していた。また、追試された15座位全てが、ヒト頭部神経堤細胞で活性なクロマチンシグネチャーを示す配列に局在していた。これらのことから、抽出された顔形状の多様性は発生早期に起源を有することが示唆された。これらの結果は、顔貌やその他の複雑な形態学的形質の研究において意義を持つものである。

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