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ボディサイズ:ウシの体高に関するゲノムワイド関連解析のメタ解析による、哺乳類のボディサイズを制御する共通遺伝子群の同定

Nature Genetics 50, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0056-5

ヒトの身長は、効果の小さい多数の多型による影響を受ける。それとは対照的にイヌの体高は、同一品種内においてでさえも、少数の遺伝子のバリアントに起因して多様性が見られることが多いと示唆されている。本研究ではウシのデータを用いて、その体高を制御している遺伝的基盤をヒトおよびイヌと比較する。17の集団に属する5万8265頭のウシを対象に、2540万の全ゲノム配列バリアントを補完推定し、体高のメタ解析を行った。163のゲノム領域に体高との有意な関連(P < 5 × 10−8)が検出され、各領域の上位バリアントによって説明できる表現型分散は最大13.8%であった。この結果は、ウシの体高の遺伝的基盤が、ヒトの身長の場合と類似していることを示している。これらのバリアントの大部分は非コード配列のバリアントであり、発現量的形質座位(eQTL)やChIP–seqのピークに一致するものも含まれていた。ウシの体高関連座位とヒトやイヌの座位との間には有意な重複が認められ、哺乳類のボディサイズは共通の遺伝子群により規定されていることが示唆される。

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