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イネ:パンゲノム解析は栽培種と野生種のイネにおけるゲノム多様性の規模を明らかにする

Nature Genetics 50, 2 doi: 10.1038/s41588-018-0041-z

Oryza sativaOryza rufipogonにおける豊富な遺伝的多様性は、イネの育種における主要な資源としての役割を果たしている。イネにおける対立遺伝子の変化を発見するために、大規模なリシークエンシングが行われているが、短い配列リードをO. sativa japonica(日本晴)の参照ゲノムに直接にマッピングすることにより、遺伝的多様性に関する情報の大部分が失われてしまうことが多い。今回、我々は66種類のイネの登録について、高深度塩基配列決定法を用いてde novoアセンブリを行うことによって、O. sativaO. rufipogon種複合体のパンゲノムデータセットを構築した。ゲノム内の比較解析により、イネゲノム内に2300万の配列バリアントを同定した。この配列バリアントのカタログには、多くの既知の量的形質配列が含まれており、複雑形質の原因となる新しい病因バリアントの探索に役立つだろう。特に、我々はこのパンゲノムデータを用いてタンパク質をコードする遺伝子全体を体系的に解析した。このデータは、イネ登録の間で、バリアントの有無の程度がどう違うかを示してくれる。このパンゲノム資源は、イネにおける進化や機能に関する研究を大きく促進するだろう。

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