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集団遺伝学:モンゴル民族175人の全ゲノム配列決定による集団特異的な遺伝学的構造および北アジアおよび東アジアで起きた遺伝子流動の解明

Nature Genetics 50, 12 doi: 10.1038/s41588-018-0250-5

北アジア人集団の遺伝的多様性に関するデータはいまだ十分ではない。この問題に対処するために我々は、6つの部族に属するモンゴル民族175人の全ゲノム配列決定を実施し、遺伝的多様性の参照パネルを新たに作成した。この遺伝的多様性のパネルから、これらの部族間には明確な層別化が見られ、それはこの地域における多様な人口移動の歴史と合致していることが分かった。我々の結果を1000ゲノムプロジェクトのパネルに組み入れることで、フィンランド人とモンゴル人/シベリア人に共通する対立遺伝子が派生していることを突き止め、ユーラシア大陸北部の集団の間では過去に相当な規模で遺伝子流動が起きていたことが示唆された。また、北アジア、東アジア、東南アジアの3つの集団においては配列アラインメントの一致が多いが、こられの集団と南アジアやオセアニア集団との間では一致が少ないことが分かった。

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