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動的クロマチン構造:動的な3Dクロマチン構造はエンハンサーの特異性と四肢の形態形成に関与する

Nature Genetics 50, 10 doi: 10.1038/s41588-018-0221-x

エンハンサーの調節特異性および、エンハンサーと遺伝子プロモーターとの相互作用は、エンハンサーの配列や転写因子の結合によって制御されると考えられている。本論文では、後肢の発生の調節因子であるPitx1の研究により、クロマチンのコンホメーションの動的変化がエンハンサーの活性を制限し得ることを示す。Pitx1の発現が後肢に限定されていることと矛盾するが、Pitx1は前肢と後肢において活性を示す1つのエンハンサー(Pen)による制御を受ける。Capture Hi-C(CHi-C)法とこの座位の三次元モデル化によって、前肢と後肢は基本的に異なるクロマチン配置で、そのためPenとPitx1は後肢では相互作用するが、前肢では物理的に離れてしまうことが実証された。構造バリアントは不活性なコンホメーションを活性なコンホメーションに変換でき、これにより前肢でPitx1の誤発現が誘導されて、マウスやヒトにおいて腕から脚への部分的な形質転換が引き起こされた。従って、組織特異的な三次元クロマチンコンホメーションは、in vivoのエンハンサーの活性や特異性に影響し、またその撹乱は遺伝子の誤発現や疾患を引き起こし得る。

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