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憩室症:ゲノムワイド関連解析から、憩室症の39の新しい感受性座位が明らかになる

Nature Genetics 50, 10 doi: 10.1038/s41588-018-0203-z

憩室症は、一般的であり、罹患率が高いが、その病態生理の理解が十分ではないため、治療法は限られている。本論文では、その病因を解明するために、英国バイオバンクのデータを用いて、憩室症(症例2万7444例、対照38万2284例)に関するゲノムワイド関連研究を行い、ミシガンゲノミクスイニシアチブ(症例2572例、対照2万8649例)において再現性を検討した。我々の解析により、憩室症に関連する42座位が特定され、そのうちの39座位が新規であった。DEPICT(data-driven expression-prioritized integration for complex trait)を用いてエンリッチメント解析を行った結果、これらの関連領域の遺伝子の発現は、間葉系幹細胞や多数のタイプの結合組織細胞で有意に高く、血管や間葉の生物学的性質に役割を担っている遺伝子と共発現していることが分かった。これらの関連座位の遺伝子は、免疫、細胞外マトリックスの生物学的性質、細胞接着、膜輸送、および腸の運動において役割を担っているものである。42のバリアントについてのフェノムワイド関連解析から、憩室症は肥満やヘルニアと共通の病因を持つことが示された。これらの解析から、憩室症のゲノムの全体像が明らかになった。

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