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非コード配列:がんゲノムの構造多様性の統合的な検出および解析

Nature Genetics 50, 10 doi: 10.1038/s41588-018-0195-8

構造バリアント(SV)はさまざまな機構を介して発がんに関与している。その重要性にもかかわらず、がんゲノムにおいてSVを特定することはいまだに難しい。本論文では、光学マッピング、Hi-C(high-throughput chromosome conformation capture)法、全ゲノム塩基配列決定を統合して、さまざまな正常試料あるいはがん試料、細胞株において、SVを系統的に検出する枠組みを示す。その結果、各方法には固有の長所があり、統合手法のみがゲノムのSVを包括的に特定できることが実証された。Hi-C法と光学マッピングを組み合わせることで、複雑なSVを明らかにし、多数のSV事象を単一ハプロタイプの相に落とし込んだ。さらに、遠位の調節配列の欠失、DNA複製のタイミングの変化、三次元クロマチン構造ドメインの新規作出など、非コード配列の機能に影響を及ぼす広範な構造多様性事象が観察された。我々の結果から、がんゲノムにおける非コードSVは、正しく評価されていないドライバー変異である可能性が示された。

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