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RNA結合タンパク質:MSI2の相互作用分子の機能的スクリーニングから骨髄性白血病幹細胞におけるSYNCRIPの不可欠な役割が明らかになる

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3854

がん幹細胞を支配するRNA結合タンパク質(RBP)の特徴はほとんど明らかになっていない。MSI2 RBPはがん幹細胞プログラムの翻訳における中心的な調節因子である。本論文では、MSI2と相互作用するRBPネットワークのプロテオーム解析および機能的shRNAスクリーニングにより、in vivoの白血病に必要な24の遺伝子を突き止めた。Syncripは、正常細胞と骨髄性白血病細胞の間で最も必要性が異なる遺伝子であった。SYNCRIPを除去すると、アポトーシスと分化は増加し、白血病発生は遅延した。SYNCRIP除去細胞の遺伝子発現プロファイルは、MLLおよびHOXA9の白血病幹細胞プログラムの消失を示した。SYNCRIPとMSI2は、共通のmRNA標的を介して間接的に相互作用する。SYNCRIPはHOXA9の翻訳を維持し、また、MSI2あるいはHOXA9の過剰発現によりSYNCRIP除去の影響が救済された。総合的に我々のデータからSYNCRIPが骨髄性白血病幹細胞プログラムを制御する新しいRBPであることが明らかになった。我々は、これらのRBP複合体を標的とすることが白血病の新しい治療戦略になることを提案する。

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