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クモの糸:アメリカジョロウグモNephila clavipesのゲノムから、クモの糸の遺伝子の多様性とその複雑な発現が明らかになる

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3852

クモの糸は最も丈夫な生物材料として知られているが、それは軽く、ヒトの免疫系が実質的に応答しない。そしてそれゆえに、医学や産業に利用できる画期的な可能性を秘めている。クモの糸は主に、spidroinという特有の構造を持つタンパク質ファミリーにより構成されている。spidroinの遺伝子を体系的に研究するために、造網性のクモとして最初となるゲノムの構築を行った。用いたのはアメリカジョロウグモ(Nephila clavipes)で、これは、さまざまな物理的特性を持つ幅広い種類の糸を用いて大きな巣を作る。我々は、28のNephila(ジョロウグモ属)のspidroinをカタログ化した。これは造網性のクモにおける既知のspidroinの全ての種類に当たる。また、特定のspidroinに見られるバリエーションとして、コード領域反復配列モチーフ394個と高次の反復カセット構造を同定した。糸腺のタイプ別にspidroinの発現の特徴づけを行ったところ、糸腺は複数の種類のspidroinを発現しうることが分かった。また我々は、選択的スプライシングを受けるspidroin、毒腺のみで発現しているspidroin、spidroinの多様化の進化的な機構、糸の生産に役割を果たしていることが示唆されるspidroin以外の遺伝子とその発現パターンを明らかにした。

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