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キャッサバ:キャッサバのハプロタイプマップからクローン増殖の際の有害変異の固定が明らかになる

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3845

キャッサバ(Manihot esculenta Crantz)はアフリカや南米における重要な主食作物であるが、ゲノムに一様に有害変異があるため適応度が大きく低下する可能性がある。本論文では、これらの有害変異を評価するために、241のさまざまなキャッサバアクセッションの詳細な塩基配列決定から、キャッサバのハプロタイプマップを構築し、2,800万以上の分離バリアントを同定した。我々は、(i)ヒトによる摂取を可能にするために、栽培化ではデンプンおよびケトンの代謝経路が調整されたが、それと同時に起こったボトルネック事象やクローン増殖(栄養繁殖)により有害なアミノ酸変化の大部分が固定され、有害な対立遺伝子数が26%増加して、変異の負荷が一般的なバリアントとして移行したこと、(ii)キャッサバゲノムでは組換えが制限されているので、有害な変異は効率的に除去されないこと、(iii)最近の育種における取り組みは、最も有害な劣性変異をヘテロ接合状態で隠すことで収穫量を維持しているが、変異の負荷を取り除くことはできず、このような変異の除去が将来的なキャッサバ育種の重要な標的になると考えられることを見いだした。

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