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心房細動:心房細動に関連する6つの新規座位を日本人集団で同定

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3842

心房細動は最も一般的な不整脈で、脳卒中につながる。日本人集団で心房細動に関連する遺伝的座位を調べるために、心房細動の症例8,180例と対照群28,612例に対してゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施し、さらに、症例3,120例と対照群125,064例に対して追試した。我々の解析で既報の遺伝子座を確認するとともに、6つの新しい遺伝子座を、KCND3PPFIA4SLC1A4-CEP68HAND2NEBLSH3PXD2A遺伝子の近傍に発見した。ヨーロッパ系祖先を持つ集団と我々のデータを比較した結果、6つの新しい遺伝子座のうち5つは、日本人集団の心房細動に特異的に関連していることが分かった。このことから、祖先集団の違いにより、感受性に影響を与える遺伝的要因が異なる可能性があることが示唆された。今回の研究において、心房細動の感受性に関連するバリアントがHAND2KCND3NEBLに見いだされた。また、PPFIA4SH3PXD2Aは軸索誘導に関与しており、疾患の病因となる可能性を示唆する。我々の発見は、心房細動の感受性および病因の理解を深めることに貢献するであろう。

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