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Y染色体:Y染色体のモザイク欠失に関連する遺伝的バリアントは発がんリスクと重なっており、細胞周期遺伝子の重要性が明らかになる

Nature Genetics 49, 5 doi: 10.1038/ng.3821

Y染色体は造血細胞で欠失していることが多く、この欠失が男性における最も頻度の高い体細胞性のゲノム変化である。しかし、Y染色体のモザイク欠失(mLOY)を調節している機序、そしてその臨床的関連性は明らかでない。このたび、85,542人の男性の遺伝子型アレイ強度データや配列リードを用いて、mLOYに関連を示す19のゲノム領域を同定した(P<5×10−8)。次に、これらの座位を用いて、女性でのX染色体欠失を予測した(n=96,123、P=4×10−6)。さらに全血試料のエピゲノム規模メチル化解析を行い、mLOYと関連して特異的にメチル化されている36の部位を明らかにした。同定された遺伝子は、細胞増殖や細胞周期の調節に関係する遺伝子に集中しており、DNA合成(NPAT)、DNA損傷応答(ATM)、有糸分裂(PMF1CENPNMAD1L1)、アポトーシス(TP53)などがある。mLOYと発がんリスクとの間の共通した遺伝的構造が示されると同時に、mLOYが喫煙によって引き起こされると推論する。まとめると今回の研究結果は、遺伝子型アレイ強度データから、集団の規模で細胞周期の効率を定量的に計測することが可能になり、異数性、ゲノム不安定性、発がんリスクに関与する遺伝子を同定できることを明らかにした。

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