Article

ダイズ:ダイズのJ座位の天然の多様性が熱帯への適応を改善して収量を増加させる

Nature Genetics 49, 5 doi: 10.1038/ng.3819

ダイズは温帯地域原産の重要なマメ科作物であり、その緯度適応に重要な要因は、光周期応答性である。温帯地域の品種を低緯度地域に持ち込むと、成熟が早まり、穀物収量が極端に低下する。長期幼形(long-juvenile:LJ)形質を導入すると、栄養期が延長して短日条件での収量が改善され、熱帯地域での栽培の拡大が可能となる。本論文では、LJ形質をもたらす主要な古典的座位Jのクローニングおよび特性評価を行ったことを報告する。Jは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のEARLY FLOWERING 3ELF3)のオルソログであることが分かった。Jは、マメ科植物特異的な開花リプレッサーE1に遺伝学的に依存し、Jタンパク質は、E1のプロモーターと物理的に結合してその転写を抑制することにより、2つの重要なFLOWERING LOCUS TFT)遺伝子の抑制を解除して、短日下での開花を促進する。今回の知見は、ダイズの開花期制御における重要な新要素を明らかにし、ダイズの熱帯地域への適応に関する新たな洞察をもたらした。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度