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変形股関節症:全ゲノム塩基配列決定からCOMPおよびCHADLの希少な遺伝子型が変形性股関節症の高リスクに関連することが明らかになる

Nature Genetics 49, 5 doi: 10.1038/ng.3816

変形性関節症により股関節全置換を受けたアイスランド人患者4,657人と集団対照207,514人において、全ゲノム塩基配列決定によって同定されたバリアントに基づいて、股関節全置換についてのゲノムワイド関連研究を行った。変形性関節症による股関節全置換と強く関連する2つの希少なシグナルが見つかった。1つは、COMP遺伝子のミスセンスバリアントc.1141G>C(p.Asp369His)である〔対立遺伝子頻度=0.026%、P=4.0×10−12、オッズ比(OR)=16.7〕。もう1つは、劣性遺伝形式を介しての関連を示す、CHADL遺伝子のフレームシフト変異rs532464664(p.Val330Glyfs*106)である(ホモ接合体頻度=0.15%、P=4.5×10−18、OR=7.71)。平均して、c.1141G>Cがヘテロ接合である人は13.5年(P=0.0020)、rs532464664がホモ接合である人は4.9年(P=0.0026)、この遺伝子型でない人よりも早く股関節置換を行っていた。また、完全長CHADL転写産物が軟骨に発現していることも分かった。その上、CHADLのフレームシフト変異によって挿入された早期終止コドンにより、変異転写産物のナンセンス変異依存分解が引き起こされた。

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