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ベルベットモンキー:アフリカのベルベットモンキー集団間に見られる古代交雑とウイルスに対する強力な適応

Nature Genetics 49, 12 doi: 10.1038/ng.3980

ベルベットモンキーは最も広く分布している非ヒト霊長類の1つである。表現型の多様性が比較的高く、さまざまなヒト疾患の重要な生物医学的モデルとして、またワクチン研究のために利用されてきた。アフリカ全域およびカリブ諸国からサンプリングされた163頭のベルベットモンキーの全ゲノム塩基配列データから、分類群内および分類群間の多様性が高いことが確認され、また分類群の分岐は単純な枝分かれではなく網状に起こってきたことの明確な証拠が見いだされた。分類群間での多様化をもたらす選択について検索すると、ウイルス過程に影響を及ぼす、高度な多遺伝子性を示す強い選択シグナルが同定された。さらに、選択スコアはヒトオーソログがHIVと相互作用する遺伝子や、サル免疫不全ウイルス(SIV)感染実験でベルベットモンキーでは応答を示すがアカゲザルでは示さない遺伝子において高く、シグナルの一部がSIVに対する分類群特異的な適応を反映していることが示唆される。

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