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ドリアン:熱帯の果物ドリアン(Durio zibethinus)のドラフトゲノム

Nature Genetics 49, 11 doi: 10.1038/ng.3972

ドリアン(Durio zibethinus)は東南アジアの熱帯の植物であり、その果実は棘に覆われた硬い殻を持っており、硫黄やタマネギのようなにおいを放つことで知られている。今回我々は、ドリアンの概要ゲノムを構築したので報告する。アオイ目でゲノム解読された3番目の属であり、ヘリクテレス亜科の中では最初にゲノム解読された植物となった。1分子シークエンシングと染色体コンタクトマップを用いることにより、染色体スケールの解像度で、高度のヘテロ接合性を示すドリアンゲノムの構築が可能になった。トランスクリプトーム解析を行うと、ドリアン果実で硫黄、エチレン、脂質関連の経路が亢進されていることが分かった。また、古代にドリアンと綿で共通の倍数化イベントがあったこと、そして、MGL(メチオニンγ-リアーゼ)でドリアン特有の遺伝子の増加が見られ、揮発性硫黄化合物(VSC)の生産が伴ったことが分かった。果実中でMGLとエチレン関連遺伝子ACS(アミノシクロプロパン-1-カルボン酸シンターゼ)が下流代謝物(VSCとエチレン)と同時に上方制御されており、このことから、Yang回路を通じてエチレン生合成とメチオニン再生産が関連している可能性が示唆された。ドリアンゲノムは熱帯の果実の生物学と作物栽培学への情報源となるものである。

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