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先天性心疾患:2871人の先天性心疾患発端者における遺伝性ならびに新規希少バリアントの寄与

Nature Genetics 49, 11 doi: 10.1038/ng.3970

先天性心疾患(CHD)は先天異常による死亡の主要な原因である。本研究では2645人の親子トリオを含む2871人のCHD発端者の単群コホートにおいてエキソーム塩基配列決定を行ったところ、1.8%に遺伝的に継承されるまれな変異が検出された。そのうち、アシュケナージ系の重度CHDでは約5%にGDF1の劣性遺伝性創始者変異が、ショーン複合では約11%にMYH6の劣性遺伝性変異が、ファロー四徴症では2.3%にFLT4の優性遺伝性変異が認められた。また、症例の8%に新規変異(DNM)が検出されており、CHDのみの患者では新規変異が約3%に、神経発達障害と心臓外の先天異常の両者を合併した患者では新規変異が約28%に上った。7つの遺伝子がゲノムワイドな有意水準を満たしており、また、CHDとの関連がこれまで知られていなかった12の遺伝子が70%を超える確率で疾患に関連していた。CHDに関連している新規変異を有する遺伝子の総数はおよそ440と推定された。CHDと自閉症の発端者の間で、有害な新規変異を有する遺伝子群に顕著な重複がみられることも判明した。

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