Commentary

ビッグデータ:Analysis Commonsによるチームアプローチが、ビッグデータ環境における遺伝疫学の発見を支援する

Nature Genetics 49, 11 doi: 10.1038/ng.3968

全ゲノム配列(WGS)やマルチオミックスのデータ量が増大したことにより、解析のための新しいアプローチが必要とされている。1つの解決策として、我々はクラウドベースのAnalysis Commonsを開発した。これは多数の研究から遺伝子型と表現型のデータを収集し、数多くの研究者がアクセスできるようにしたものである。このシステムは、データ共有の手段、表現型の共通化、統合的なマルチオミックス解析、アノテーションやデータ処理の柔軟性など、複数の施設が関わる全ゲノム配列解析において生じる多くの問題を解消することを目的としており、データ処理パイプラインが配列から発見までの解析ワークフローを容易にする。ここでは、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)のTrans-Omics for Precision Medicine(TOPMed)全ゲノム配列プログラムにおける、3996人の血漿フィブリノーゲンレベルの解析を例にとって説明する。Analysis Commonsは、膨大な量の表現型データとゲノムデータからなる全ゲノム配列リソースから、多様なヒト集団の健康および疾患リスクを決める要因に関する知見を引き出す方法の新たなモデルとなるものである。

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