Analysis

移植腫瘍モデル:患者由来異種移植片ではマウスに特異的な腫瘍の進化が起こっている

Nature Genetics 49, 11 doi: 10.1038/ng.3967

患者由来移植片(PDX)は原発腫瘍のゲノム特性を正確に表していると思われるところから、よく知られたがんモデル系の1つとなっている。本論文では、24種類のがんについて、総数1110のPDX試料におけるコピー数変化(CNA)の変遷過程を継続的にチェックした。その結果、PDXの継代培養の過程で、CNAが迅速に蓄積されることを見つけた。この現象は多くの場合、既存のマイナー集団であったサブクローンが選択されることで起こっていた。PDXにおけるCNAの獲得は、原発腫瘍で認められる、組織特異的な異数性および遺伝的不均一性のレベルと相関していた。しかし、PDX継代培養の際に生じたCNAのうちのあるものは、患者における腫瘍の進展で生じたものと異なっていた。原発腫瘍に頻発するCNAのいくつかは、PDXでは徐々に姿を消していた。これは、ヒトにおいては正の選択を受ける事象が、マウスの増殖では必要でない可能性があることを示している。特に、PDXのゲノム安定性は、化学療法や標的薬剤に対するPDXの応答に関連していた。今回得られた知見は、PDXを使用したヒトがんモデル作製に対して重大な意味を持つ。

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