Analysis

連鎖不平衡:ヒト複雑形質の連鎖不平衡依存的な構造から負の選択の作用が示される

Nature Genetics 49, 10 doi: 10.1038/ng.3954

最近の研究から、ヒトの複雑形質には連鎖不平衡(LD)依存的な構造が見られ、低レベルのLD(LLD)を持つSNPは、SNP当たりの遺伝率がより大きいことが示唆されている。本論文では、層別化LDスコア回帰を連続したアノテーションに拡大することで、56の複雑形質の要約統計量(平均N = 10万1401)を解析した。低いLLDを持つSNPはSNP当たりの遺伝率が有意に高いこと、また、この効果のおよそ半分は、DNアーゼI高感受性部位(DHS)のような、LLDと負に相関する機能のアノテーションによって説明できることが明らかになった。残りのシグナルは、より最近のありふれたバリアントがより低いLLDを持ち、より大きな遺伝率を説明する(P=2.38 × 10−104)傾向があるという我々の発見により説明できる。つまり、一般的なSNPの中では、ごく最近生じた20%は、最も古くから存在する20%よりも3.9倍多く遺伝率を説明し、これは負の選択の作用に一致した。また、他のLDに関連する機能アノテーションと合わせた効果の推定も行い、順方向シミュレーションにより、このジョイント解析が有害な効果を予測できることを確認した。

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