Letter

調節配列:疾患関連バリアントは転写因子の量とその結合部位のメチル化を変化させる

Nature Genetics 49, 1 doi: 10.1038/ng.3721

疾患に関連する遺伝学的バリアントのほとんどは非コード配列であるため、それが機能に及ぼす作用を理解するための実験を設計するのが難しい。発現量的形質座位(eQTL)を同定することは、疾患関連バリアントの下流への影響を推定する強力な手法であるが、これらのバリアントの大部分は説明されていない。一方で、エピゲノムの重要な構成要素であるDNAメチル化の解析から、調節性の可能性があるゲノム領域について、非常によく補完するデータが得られている。今回我々は、疾患関連バリアントは、トランスにDNAメチル化に広範な影響を及ぼすこと、またこれはシス調節性転写因子のトランス結合部位の占有の差を反映すると考えられることを示す。3841人のオランダ人についてのマルチオミックスデータセットを用いて、確立された形質に関連する1907のSNPが、1万0141種類のCpG部位のメチル化レベルにトランスに影響を及ぼすことを明らかにした〔偽陽性率(FDR) < 0.05〕。これらには、近傍の転写因子(NFKB1CTCFNKX2-3など)の発現と、それぞれの転写因子のゲノム全体にわたる結合部位のメチル化の両方に影響を及ぼすSNPが含まれている。トランスにメチル化を受けるQTLは、疾患関連バリアントの下流の影響を効率的に明らかにできる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度