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血圧:電子カルテを用いたゲノムワイド関連解析から血圧変化に影響する新たな座位を同定

Nature Genetics 49, 1 doi: 10.1038/ng.3715

Genetic Epidemiology Research on Adult Health and Aging(GERA)コホートの99,785人に関する長期にわたる電子カルテから、1,342,814の収縮期および拡張期血圧の測定値データを抽出し、長期間にわたる平均収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧についてのゲノムワイド関連解析を行った。その結果、ゲノムワイドな有意性を示す75の座位(P ≤ 5 × 10−8)を同定した。そのうちの39は新たな座位であった。これらの39の座位の大部分は、International Consortium for Blood Pressure(ICBP;n = 6万9396)とUK Biobank(UKB、n = 15万2081)の統合関連解析において関連の再現性が得られた。GERAとICBPの統合関連解析からさらに36の新たな座位が同定され、これらの大部分がUKBで再現性が得られた。ここで3つのすべての関連解析の統合解析(n = 32万1262)を行うと、今まで検出されていなかった241のゲノムワイドに有意な座位が判明したが、再現解析は使用可能なサンプルがないために実施できなかった。すべての関連座位は、GERAの非ヒスパニック系白人における収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の変化量のそれぞれ、2.9%、2.5%、3.1%を説明していた。GERAの複数の血圧測定値を用いると、説明分散は2倍となった。正規化されたリスクスコアは高血圧発症時期と関連していた(ハザード比 = 1.18、P = 8.2 × 10−45)。血圧座位についてeQTL(発現量的形質座位)解析を行ったところ、大動脈および脛骨動脈に豊富に存在することが明らかになった。

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