Analysis

複雑形質:ヒトの42形質で共有される遺伝学的影響の検出と解釈

Nature Genetics 48, 7 doi: 10.1038/ng.3570

42の形質あるいは疾患についての大規模なゲノムワイド関連研究(GWAS)を比較することで、複数の表現型に関連する遺伝的バリアントについて解析した。複数の形質に関連する341座位(偽発見率10%)が同定された。いくつかの座位が複数の表現型に関連しており、例えば、亜鉛輸送体SLC39A8の非同義バリアントは、特に統合失調症のリスク〔rs13107325、対数変換後のオッズ比(log OR)=0.15、P=2×10−12〕やパーキンソン病(log OR=−0.15、P=1.6×10−7)を含む、7つの形質に影響を与える。次に、これらの座位を用いて、複数の共通する遺伝学的原因を持つ形質を同定した。例えば、統合失調症のリスク上昇に関連するバリアントは炎症性腸疾患のリスク上昇にも関連する傾向があった。さらに、因果関係がある形質対をエビデンスに基づいた方法で同定できる手法を開発した。例として、ボディマス指数の増加を原因としてトリグリセリド値が上昇する証拠を示す。

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