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エピジェネティクス:REF6はシロイヌナズナにおいてH3K27me3の脱メチル化や器官境界形成を調節する特異的なDNA配列を認識する

Nature Genetics 48, 6 doi: 10.1038/ng.3556

RELATIVE OF EARLY FLOWERING 6(REF6、JMJ12としても知られる)は、シロイヌナズナの数百の遺伝子において、トリメチル化されたヒストンH3リシン27(H3K27me3)からメチル基を除去することにより、ポリコーム(Polycomb)遺伝子を介した遺伝子のサイレンシングを妨げている。今回、REF6の機能およびゲノム規模のターゲティングにとって、それが持つ4つのCys2His2ジンクフィンガーが必須であることを明らかにしたので報告する。この4つのジンクフィンガーは直接にCTCTGYTYモチーフを認識していた。REF6が結合したモチーフは凝集し、活性クロマチン状態の座位に位置する傾向にある。さらに、REF6は、CTCTGYTYモチーフを内部に有するCUP-SHAPED COTYLEDON1CUC1)を標的とし、H3K27me3レベルを調節して、CUC1の発現を活性化する。REF6の機能消失はCUC1の抑制や子葉の分割の異常の原因となる。一方、RFF6はCUC2には結合しない。CUC2は、CUC1の近縁なホモログをコードしているが、CTCTGYTYモチーフを欠いている。ポリコームは器官の境界の形成といった植物の発生を調節する働きをするが、ポリコームを介した遺伝子サイレンシングを妨害するという、H3K27脱メチル化の新しいターゲット機構が今回の研究により明らかになった。

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