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結核菌:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株のゲノム解析および機能解析から、aldD-シクロセリン耐性に関与することが分かった

Nature Genetics 48, 5 doi: 10.1038/ng.3548

ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)における薬剤耐性の遺伝学的基盤をより完全に理解することは、迅速な診断や最適な治療に重要であり、特にD-シクロセリンのような毒性のある第2選択薬を用いる治療に重要である。本論文では、ヒト型結核菌498株の全ゲノム塩基配列決定のデータを集め、耐性を付与する新しい遺伝子型を明らかにした。関連の解析と進化の相関を調べる検定を組み合わせ、さらに希少なバリアントのシグナルを増幅する手法を組みこんで解析した結果、L-アラニンデヒドロゲナーゼをコードするald(Rv2780)の機能喪失変異が、これまでに明らかになっていなかった薬剤耐性に関連することが分かった。この機能喪失の収斂進化は、多剤耐性株に排他的に観察された。薬剤感受性試験から、aldの機能喪失によりD-シクロセリンへの耐性が付与されること、またD-シクロセリンへの感受性はaldの補充により部分的に回復することが明確に実証された。in vitroでの培養の際、aldalrの変異を持つ臨床株は、D-シクロセリンへの耐性増加を示した。新しい分子診断にD-シクロセリン耐性を入れることにより、毒性のあるこの薬剤に感受性の感染患者を標的としてD-シクロセリンの使用が可能になると考えられる。

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