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Y染色体:Y染色体のモザイク欠損は、TCL1A近傍の高頻度バリアントと関連する

Nature Genetics 48, 5 doi: 10.1038/ng.3545

Y染色体の消失がモザイク状に起こる現象(Y染色体モザイク欠損:mLOY)は性染色体モザイクXY/XOの原因となり、加齢とともに、特に喫煙者において高頻度で見つかる。本論文では、3つの前向きコホート(がん症例8,679とがんでない対照5,110)において、mLOYが血液系がん以外のがんの発症に関連しているかどうか、さらにmLOYになりやすい遺伝学的感受性因子を詳細に調べた。全体的に見て、mLOYは男性の7%に見られ、加齢とともに増加し〔年齢が1歳上がるごとのオッズ比(OR)=1.13、95%信頼区間(CI)=1.12–1.15、P <2×10−16〕、80歳以上の男性では18.7%に達していた。またmLOYは、現時点での喫煙と関連性を示す(OR=2.35、95%CI=1.82–3.03、P=5.55×10−11)が、禁煙後の時間経過につれて関連は弱くなった。さらにmLOYは、全てのがんもしくは特定のがん(例えば、膀胱、肺、前立腺のがん)の発症リスクとの関連に一貫性が見られず、がん診断後の生存率(多変量補正ハザード比=0.87、95% CI=0.73–1.04、P=0.12)についてもそうであった。ゲノムワイド関連解析を行い、遺伝的モザイク、特にmLOYに関連する高頻度の感受性座位を初めて見つけたので報告する。すなわち、14q32.13に位置するTCL1Aに存在し、そのrs番号はrs2887399(OR=1.55、95% CI=1.36–1.78、P=1.37×0−0)である。

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