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自閉症:自閉症スペクトラム疾患の遺伝学的リスクと一般集団における神経精神医学的な多様性

Nature Genetics 48, 5 doi: 10.1038/ng.3529

自閉症スペクトラム疾患(ASD)のほぼ全ての遺伝学的リスク因子は一般集団でも見いだされうるものであるが、精神神経症状が確認されていない人々でのリスク効果は明らかではない。いくつかの大規模なASDコンソーシアムおよび集団規模のリソース(総合したn >3万8,000)を用いて、ASDと、社会的行動および適応機能に見られる典型的な多様性との間の遺伝学的関係をゲノム規模で見つけた。この関係は、LDスコアの相関とde novoバリアント解析の2つの方法を通して実証した。このことは、複数のタイプの遺伝学的ASDリスクが、連続体として存在する行動および発達に関する形質に影響を及ぼし、その連続体の極端な例としてASDなどの精神神経疾患の診断となることが示唆された。行動および発達に関する形質を連続体としてとらえるモデルから、精神神経疾患の生物学的研究をどうデザインし解釈したらよいかの情報が得られるだろう。

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