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イネ:OsSPL13が栽培イネの粒大を制御する

Nature Genetics 48, 4 doi: 10.1038/ng.3518

栽培化の過程で遺伝的多様性が果たす役割は非常に大きいものだが、イネゲノム全体にもともと豊富に存在して多様な品種間に重要な農業上の差異を生じさせる対立遺伝子に関しては、十分な研究が行われていない。今回我々は、さまざまなイネ集団に対して、全ゲノム関連解析と粒大の機能解析とを組み合わせた手法を適用した。その結果、植物特異的な転写因子OsSPL13をコードする重要な量的形質座位GLW7が穀皮の細胞の大きさを正方向に調節し、米穀の粒長を伸ばして収量を増加させることを明らかにした。OsSPL13の5' 非翻訳領域における縦列反復配列は、転写および翻訳に影響を及ぼしてその発現を変化させており、OsSPL13の高発現は熱帯ジャポニカイネの大型の穀粒と関連することが分かった。さらに解析すると、熱帯ジャポニカイネのGLW7の大型穀粒対立遺伝子は、人為的な選択によってインディカ品種から取りこまれたことが示された。本研究は、全ゲノム関連解析データに基づいた解析により、新たな遺伝子が効果的に同定できることを実証した。

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