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分化転換:ヒト細胞種間の直接的リプログラミングのためのコンピューター予測フレームワーク

Nature Genetics 48, 3 doi: 10.1038/ng.3487

分化転換は、ある細胞種から別の細胞種に多能性状態を経ることなしに転換する変化で、再生医療への応用が期待されている。リプログラミングのための鍵となる妥当な転写因子セットの実験による同定は、非効率で拡張性がないアプローチを用いるため、包括的な検証には多くのコストがかかる。今回我々は、予測システムであるMogrifyを提案する。このシステムは、遺伝子発現データと制御ネットワーク情報とを組み合わせて、細胞変換を誘導するのに必要なリプログラミング因子を予測する方法である。我々はMogrifyを173のヒト細胞種と134の臓器に適用し、細胞リプログラミングの地図を作成した。Mogrifyは既に知られている分化転換で用いられた転写因子を正しく予測することができた。さらに、2つの新規の分化転換について、Mogrifyの予測が妥当であることを確認した。我々は、新規の細胞変換を体系的に実行するための現実的で効果的な方法を作成し、ヒト細胞のリプログラミングを一般化できるようにした。Mogrifyによる予測は、細胞変換の研究領域のさらなる迅速な発展のために利用が可能である。

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