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食道腺がん:食道腺がんの変異シグネチャーから、治療上意味のある病因の異なるグループが明らかになった

Nature Genetics 48, 10 doi: 10.1038/ng.3659

食道腺がん(EAC)は予後が不良であり、EACを層別化するしっかりとした方法が存在しないため、その標的療法の試みはこれまでのところ満足できる状態にない。今回、全ゲノム塩基配列決定(WGS)解析を129の症例に対して行ったところ、EACは、コピー数変化が多く遺伝学的に不均一ながんであり、頻繁に大規模な再構成が生じていることが明らかになった。さらに、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の複数同時増幅、および下流の細胞分裂促進因子活性化の両方またはいずれかが、ほぼ普遍的に認められた。従って、今回のin vitro条件下の実験結果で明らかなように、複数のRTK阻害薬(RTKi)を独自に組み合わせて用いることが必要な可能性がある。いずれにせよ、変異シグネチャーの解析は、3種類の分子サブタイプが治療上重要である可能性が高いことを示した。以下の3つのサブタイプであり、別個のコホート(総数87人)での検証も行った。(i)BRCAシグネチャーに多く含まれ、相同組換え経路において高頻度で異常が生じている、(ii)T>Gの変異パターンを主流とし、変異や遺伝子変異由来抗原(neoantigen)の数や頻度の増大を伴う、(iii)C>A/Tの変異パターンで、加齢に伴うインプリンティングが明白、である。このようなサブタイプは、治療法選択の根拠として、臨床適用可能な塩基配列決定法(低深度)で確認し得るだろう。

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