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アブラナ属:Brassica rapaおよびBrassica oleraceaではサブゲノムの並列選択が形態型の多様化および収斂的な作物栽培化と関係する

Nature Genetics 48, 10 doi: 10.1038/ng.3634

キャベツ、カブ、アブラナなどの作物を含むアブラナ属(Brassica)の種は、極めて幅広い表現型の多様性を示す。アブラナ属のゲノムは全て全ゲノム三倍化(WGT)事象を経ているが、それが表現型の多様化に与えた影響は解明されていない。我々は、多様な形態型を示すBrassica rapaの199アクセッションおよびBrassica oleraceaの119アクセッションの塩基配列再決定を行い、メソ六倍体のサブゲノムのレベルで選択のシグナルを見いだした。葉が結球するという典型的な形質を有するキャベツの形態型に関して、B. rapaのサブゲノムには並列選択(parallel selection)の証拠を示すサブゲノム座位が4か所発見され、B. oleraceaにも同様の座位が4か所認められた。15か所のサブゲノム座位に選択が働いており、それはこの2種の間で共通している。カブ(B. rapa)およびコールラビ(B. oleracea)の塊根または塊茎を形成する形態型の栽培化と関係する強力なサブゲノム並列選択も発見された。以上により、我々は、2つのアブラナ属ゲノムのメソ六倍化が、パラロガスな遺伝子の収斂的なサブゲノム並列選択によって、結球および塊根・塊茎形成性の形態型への多様化に寄与したことを示した。

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