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薬剤耐性:HippoのエフェクターYAPはRAFおよびMEKを標的とするがん治療に対する抵抗性を促進する

Nature Genetics 47, 3 doi: 10.1038/ng.3218

RAFやMEKを標的とする治療に対する抵抗性は、臨床における重要な問題である。RAFやMEKの阻害剤は、BRAF遺伝子の変異を持つ患者の一部(全員にではない)には、一過性であるが初期に有効であり、RAS遺伝子の変異を持つ患者には、抵抗性のためほとんど有効でない。BRAF変異型腫瘍細胞の遺伝学的スクリーニングから、Hippo経路のエフェクターYAP(YAP1にコードされる)が、MAPK経路に並行する生存シグナルとして機能し、RAFやMEKの阻害剤による治療への抵抗性を促進することが示された。YAPの阻害とRAFあるいはMEKの阻害を併用すると、いくつかのBRAF変異型腫瘍やRAS変異型腫瘍において合成致死性が生じた。BRAF V600Eを持つ腫瘍でのYAPの増加が、患者のRAFやMEKの阻害に対する初期反応低下のバイオマーカーであるので、我々の知見の臨床的妥当性が実証される。YAPが、RAFやMEKを標的とする治療に対する新しい抵抗性機構であることが我々のデータから明らかになった。これらの知見は、YAPの阻害とRAFあるいはMEKの阻害の併用による合成致死性が、治療応答性や患者の生存を改善する有望な戦略であることを明らかにしている。

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