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子宮頸がん:子宮頸がんにおけるHPV挿入のゲノムワイドなプロファイリングからゲノムホットスポットのクラスター化やマイクロホモロジー媒介挿入機構の可能性が明らかになる

Nature Genetics 47, 2 doi: 10.1038/ng.3178

ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の挿入は子宮頸がん発症における重要な遺伝的事象である。全ゲノム配列解読とハイスループットのウイルス挿入検出を行うことで、26例の子宮頸部上皮内新生物、104例の子宮頸がん、5つの細胞株において、HPV挿入の切断点を3667個同定した。これまでに報告された頻発挿入部位の頻度の再計算を行い、POU5F1B(9.7%)、FHIT(8.7%)、KLF12(7.8%)、KLF5(6.8%)、LRP1B(5.8%)、LEPREL1(4.9%)という結果が得られた。さらに、新しいホットスポットとして、HMGA2(7.8%)、DLG2(4.9%)、SEMA3D(4.9%)を発見した。FHITおよびLRP1Bからのタンパク質発現は、HPVがそれらのイントロンに挿入された場合に下方制御された。MYCおよびHMGA2からのタンパク質発現は、HPVがその隣接領域に挿入された場合に上昇した。また、ヒトとHPVのゲノム間のマイクロホモロジー配列は、挿入の切断点の近傍に有意に豊富に存在したことから、ウイルスとヒトのDNA間の融合がマイクロホモロジー媒介DNA修復経路により起こった可能性が示された。我々のデータはHPV挿入が駆動する子宮頸がんの発症を理解する手掛かりを与える。

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