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腸疾患:MHCの高密度マッピングから、HLA-DRB1*01:03の炎症性腸疾患の間で共有される役割と潰瘍性大腸炎に見られるヘテロ接合性優位性が明らかになる

Nature Genetics 47, 2 doi: 10.1038/ng.3176

クローン病と潰瘍性大腸炎として知られる関連する慢性の炎症性腸疾患(IBD)のゲノムワイド関連研究から、主要組織適合複合体(MHC)との関連を示す強力な証拠が示されている。この領域は、抗原を提示する古典的なヒト白血球抗原(HLA)分子群を含む、多数の免疫学的な候補分子をコードしている。IBDにおける研究から、複数の独立した関連がHLAおよび非HLAの遺伝子に存在することが示されているが、それらには、関連や原因となる対立遺伝子の構造を特徴付ける統計的検出力がなかった。この問題に取り組むために、3万2000人を超えるIBD患者においてMHCの高密度SNPタイピングを行い、クローン病と潰瘍性大腸炎の両方に複数のHLA対立遺伝子が関連すること、特にHLA-DRB1*01:03が主要な役割を担っていることを示す。これらの疾患の間には、潰瘍性大腸炎におけるクラスII HLAバリアントの顕著な役割やヘテロ接合性優位性などの点で差異が観察されたことに注目すべきである。このことは、IBDの発症機序における大腸環境での適応免疫応答の役割の重要性を示唆している。

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