Analysis

転写因子:ヒト転写因子のin vivo占有状態に影響する配列バリアントの大規模な同定

Nature Genetics 47, 12 doi: 10.1038/ng.3432

ヒトの調節領域の機能は、局所的なゲノムの環境と細胞の状態に依存し、このことが、調節DNA領域内に位置する一般的疾患および形質に関連するバリアントの実験による解析を複雑にしている。我々は、114の細胞種について166人を対象に調べ、対立遺伝子レベルの解像度で得たゲノムのDNase Iフットプリントデータを用いて、in vivoでの転写因子の占有状態と調節DNAへのアクセスしやすさに直接影響する6万個以上の高頻度バリアントを同定した。前例のない大きな規模で得られたこれらのデータは、in vivo転写因子占有状態への配列バリアントの影響を体系的に解析することを可能にしている。さまざまな転写因子の認識部位に影響するバリアントの正確なモデルを構築するためにこの解析を利用し、そのモデルを使って、転写因子の占有状態に影響すると考えられるヒトゲノム全体でおよそ50万個存在する調節領域の高頻度バリアントを識別した。本法および得られた結果は、全ヒトゲノム配列中での非コード領域バリアントの解析と解釈、さらには疾患関連バリアントのシステムレベルの研究のための新しい土台を提供するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度