Analysis

分散成分解析:高速で行う分散成分解析により、統合失調症および他の多因子疾患の遺伝的構造を比較する

Nature Genetics 47, 12 doi: 10.1038/ng.3431

ゲノムワイド関連解析(GWAS)コホートの遺伝率を解析することで、多因子疾患の成り立ちに対する重要な手掛かりが得られている。そして、サンプルサイズを大きくすることにより、新たな発見が期待できることが分かっている。本論文では、PGC(精神医学ゲノムコンソーシアム)から得られた49,806のサンプルに対して統合失調症を、GERA(老化の遺伝疫学研究)コホートから得られた54,734のサンプルに対して9つの多因子疾患を調べ、それぞれの遺伝的構造を解析した。その結果、統合失調症の場合には、1 Mbゲノム領域の71%以上に統合失調症のリスクに影響するバリアントが1つ以上見つかるという、とてつもない多因子構造が推測された。また、GCに富んだゲノム領域と頻度の高いSNPにおいて遺伝率の大幅な増加が、統合失調症でもGERA疾患でも見られた。さらに二変量解析を行ったところ、GERA疾患のいくつかのペアで有意な遺伝的相関が判明した(0.18から0.85まで)。ここで遺伝的相関は、疾患素因全体における相関に比べて平均1.3倍強かった。今回新たに、多成分・多形質・分散成分解析のための高速アルゴリズムを開発することによって、これまでの計算限界を克服し、解析が難しかったサンプルサイズにおいて遺伝率を明らかにすることができた。

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