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肺活量:ゲノムワイド関連解析から明らかになった努力肺活量に関連を示す6つの新規座位

Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.3011

努力肺活量(FVC)はスパイロメトリー(肺活量測定)による肺機能の尺度の1つで、肺の容量を示す値であり、肺疾患の診断および観察・記録に用いられる。今回、総数52,253人のヨーロッパ系集団を対象にしたFVCについての26のゲノムワイド関連解析のメタ解析を行い、 次に、上位の関連について、別のヨーロッパ系集団32,917人において確認研究を行った。その結果、FCVとゲノムワイドに有意な関連を示す6つの新たなゲノム領域をEFEMP1BMP6MIR129-2–HSD17B12PRDM11WWOXKCNJ2の内部または近傍に見つけた(P < 5×10−8)。また、スパイロメトリーによる肺機能尺度との関連がこれまでに判明していた2つの座位(GSTCDおよびPTCH1)がFVCに関与していた。新しく見つかったゲノム領域については、アフリカ系アメリカ人、韓国人、中国人、ヒスパニック系の各集団由来の試料で確認を行った。また、新たに関連が見つかった6つの遺伝子全ての転写産物が肺組織で検出された。新たな関連座位の発見は、肺の成長および拘束性肺疾患の発症に関わる機序に関する知見をもたらす可能性がある。

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