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先天性形成異常:Mycの発現を調節する長距離エンハンサーが正常な顔面の形態形成に必要である

Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.2971

口唇裂(口蓋裂の合併を含む)(CL/P)は、ヒトに観察される最も一般的な先天性形成異常の1つで、発生頻度は出生児500〜1,000人あたり1人である。8q24の640 kbの非コード区間がヒトの非症候群性 CL/Pのリスク上昇に関連するが、CL/Pの遺伝的感受性に関与する遺伝子や経路は明らかになっていない。我々は、マウスにおいてヒト8q24とシンテニーのある領域を操作して一連の多数の再構成を行うことで、この区間が、非常に遠く離れた部位にシスに作用するエンハンサーを含んでおり、発生中の顔面においてMycの発現を制御することを示す。この区間を欠失させると、マウスにおいて顔面の形態の軽度の変化、および散発的に、CL/Pが引き起こされる。分子レベルでは、いくつかのMycの下流遺伝子の誤った発現が明らかになったことから、頭蓋顔面の発生ネットワークや、将来の上唇に寄与する細胞の一般的な代謝能に与える複合的な影響が浮き彫りになった。この二面的な分子病因は、8q24領域のバリアントがヒトの顔面の異形に大きな影響を与えることの説明になるかもしれない。

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