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血液学:CXCR2をはじめとする遺伝子群のコード配列内の希少および低頻度バリアントは血液学的形質と関連している

Nature Genetics 46, 6 doi: 10.1038/ng.2962

血液学的形質は臨床上の重要な指標である。血液学的形質に対する希少または低頻度のコード配列バリアントの影響を調べるため、エキソームアレイで遺伝子型が明らかになっている31,340人について、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、白血球(WBC)数、血小板数を分析した。その結果、WBC数の減少に関連を示すいくつかのミスセンスバリアントをCXCR2に見つけた(遺伝子としてのP=2.6×10−13)。さらに、別個の、家系をもとにしたリシーケンシング研究から、リガンドによって引き起こされるCXR2シグナル伝達および走化性が消失した先天性好中球減少症患者の一家系において、CXCR2フレームシフト変異を同定した。また、重要な造血調節因子(EPOTFR2HBBTUBB1SH2B3)にミスセンスバリアントもしくはスプライス部位バリアントを見つけた。さらに、JAK2のまれな体細胞変異(p.Val617Phe)と血小板数(P=3.9×10−22)、それにヘモグロビン濃度(P=0.002)、ヘマトクリット値(P=9.5×10−7)、それにWBC数(P=3×10−5)との間の関連を検出することができた。結論として、エキソームアレイによって、ヒトの多因子形質に寄与する新たなバリアントの同定を目的としたゲノムワイド関連解析を補完できることが分かった。

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